前号の続き。…で、何を買ったかって? ニッポンが誇る金属加工の産地、燕三条発「家事問屋」というブランドの、直火式ホットサンドメーカー「ホットパン」である。元々ここの商品が好きで、ボウルやザルなどを購入していたから、メルマガでその存在を知り、もう、欲しくてたまらなくなったというワケ。
パンをセットする面に深さがあるから、具だくさんのホットサンドが作れる。フチから1センチ程度の所がぐるりと1周立ち上がっていて、パンの耳の内側がしっかりプレスされるので、前号で述べた「ホットサンドの端っこがくっつかない問題」も見事解決! その上、チーズや具材があふれても、フチと立ち上がりの間の溝がキャッチしてくれるので、外に吹きこぼれてガス台を汚す心配もない。さらに、その溝に水を少々入れれば、蒸し焼きも可能。オマケに上下を外して簡単に丸洗いできちゃうというスグレモノなのだ!
届いてスグ、ホットサンドを作ってみた。表面をカリっとさせるべく、ホットパンの内側にバターを塗る。パンを置いてスライスチーズを載せたら、真ん中に半熟ゆで卵を置き、周囲に残り物のハッシュドビーフで土手を作る。その上に、もう1枚スライスチーズでふたをしてパンを載せ、ホットパンの反対側を下ろしてストッパーを閉める。丸ごとの卵が入った厚みでも、問題なく閉まる。
ガスコンロに載せ、いざ点火! 待つことしばし、ジューッと音がしてきたので、ホットパンをひっくり返す。そろそろ焼けたかな?と、焼け具合確認のためホットパンをオープン。ちょうど良い焦げ目が付いて、バッチリ! 取り出して半分に切ると、中から半熟卵の黄身とチーズがとろぉ~り! 想像以上の使いやすさに大満足♪ 出来栄えに大感激♪ 余り物の食材だけで、こんなにおいしいホットサンドができるなんて!
調理用語辞典によると、ホットサンドイッチとは、「先にパンをトーストしておいてから作る、温かいサンドイッチ。(中略)材料を挟んでから両面にバターを塗って焼く方法もある」とあった。トーストしたパンのサンドイッチの代表格は、やはりクラブハウスサンドだろう。だが筆者の郷愁を誘うのは、BLTだ。
亡き祖母が、昔よく作ってくれた。バターを塗ってトーストした食パンに、マスタードとマヨネーズを塗り、クリスピーに焼いたベーコン(B)とレタス(L)、スライスしたトマト(T)を挟む。「レタスにちょっぴりお塩を振るのよ」とコツを教えてくれた祖母の笑顔が、今も目に浮かぶ。中からトマトが飛び出てきたりして、手をベチョベチョにしながら食べたっけ。
思えば、筆者のホットサンド好きは、祖母の影響かもしれない。ホットパンの取説(トリセツ)に、「ホットパンがおいしい思い出の一部になりますように」と記されていた。何てステキなんだろう! よぉ~し、次は余り物じゃなくて、具材もちゃんと作ろうっと。何を挟もうか、考えるだけで楽しみだ。
※宿泊料飲施設ジャーナリスト。数多くの取材経験を生かし、旅館・ホテル、レストランのプロデュースやメニュー開発、ホスピタリティ研修なども手掛ける。